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採用試験問題研究会 ミニ用語辞典
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"社会人に必要な力 〜社会人基礎力の一解釈〜"

○新入社員が一人前の戦力として認められるまでには何か月かかる?
 一人前の戦力として認められるまでの学生の希望、企業の理想、そして実際にかかる期間について、リクルートキャリアの「就職白書2014」(URL) に発表されているデータから、累積相対度数グラフにしたものが下図である。



 グラフから分かるように、学生側の希望は全体的に極めて甘いと言わざるを得ない。
 戦力として認められるまでの実際の期間は、大雑把にいえば学生の希望の約3倍となっている。

 戦力として認められるまでの期間は、実質的には研修期間であり試用期間である。この期間は下働きが多く、仕事にやりがいを感じにくい。
 そのため「仕事がつまらない」と感じることになってしまう。

 早めに一人前の戦力になることができれば、企業に利益をもたらし、本人にもやりがいをもたらす。まさにWin-Winの関係になる。

 その即戦力となるために必要なものは、大きく分けて次の2つ。

  ・「プロ意識」「責任感」「コンプライアンス」といった意識
  ・「環境に素早く適応する」「新しい知識を吸収する」「知識を実践に生かす」といった能力

 そして、これらの土台となるのが、社会人基礎力であり、基礎学力である。

○社会人基礎力について
 社会人基礎力を身につけておくと、企業に採用されやすくなるだけでなく、入社後においても高く評価されるようになる。

<社会人基礎力の一覧> (出典:経済産業省)
●前に踏み出す力(アクション) 〜 一歩前に踏み出し,失敗しても粘り強く取り組む力 〜
 ・主体性   : 物事に進んで取り組む力
 ・働きかけ力: 他人に働きかけ巻き込む力
 ・実行力   : 目的を設定し確実に行動する力
●考え抜く力(シンキング) 〜 疑問を持ち,考え抜く力 〜
 ・課題発見力: 現状を分析し目的や課題を明らかにする力
 ・計画力   : 課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
 ・創造力   : 新しい価値を生み出す力
●チームで働く力(チームワーク) 〜 多様な人々とともに,目標に向けて協力する力 〜
 ・発信力   : 自分の意見をわかりやすく伝える力
 ・傾聴力   : 相手の意見を丁寧に聴く力
 ・柔軟性   : 意見の違いや立場の違いを理解する力
 ・情況把握力: 自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
 ・規律性   : 社会のルールや人との約束を守る力
 ・ストレスコントロール力: ストレスの発生源に対応する力

 社会人基礎力は上記のように「前に進む力」「考え抜く力」「チームで働く力」として分類されているが、時間という軸を導入して捉えなおすと、以下のように、短期の「コミュニケーション力」と、長期の「根性」としてまとめることができる。

○コミュニケーション力
 コミュニケーション力(通称「コミュ力」)というのは、自分の考えを分かりやすく伝え、相手の考えを理解する、という範囲にとどまらない。
 また、学生生活におけるコミュニケーションのように「仲間と楽しくやっていく」だけでもない。

 社会には、意思表示が苦手な人、自分と性格的に合わない人、言葉が通じにくい人、暴力的な人、など様々な相手がいる。そのような相手とも円滑に仕事を進める能力がコミュニケーション力である。

 ここで、社会人全員が社会人基礎力を身につけているわけではないことに留意しよう。特にコミュニケーション力の不足はどの年代でも見られる。今後、移民などといったコミュニケーションが難しい相手が増える現代において、コミュニケーション力はますます重要性を増していくはずである。

 なお、コミュニケーションという行為において、社会人基礎力の各能力要素は下図のように現れる。

聞き出す(傾聴力)、要望や役割を把握する(状況把握力)、イライラしない(ストレスコントロール力)、相手に合わせる(柔軟性)、会話の急所を見極める(課題発見力)、マナー・ルール・権限を守る(規律性)、話を組み立てる(計画力)、魅力的な話にする(創造力)、自信を持って言葉に出す(主体性)、粘り強く話す(実行力)、理解できるように伝える(発信力)、相手を動かす(働きかけ力)

○根性
 社会で生き抜くためには、長期的な持続力も必要である。ここで「長期」というのは、短くて数か月、長くて約40年という幅で考えていただきたい。

 社会人基礎力を長期的な視点で捉えると、特に「主体性」「実行力」「計画性」「創造力」「ストレスコントロール力」において長期的な持続が要求される。これらを持続することが、生き抜く力、つまりは「根性」となる。

 なお、根性論は古いとしばしば言われる。確かに「無理させれば根性が身につく」とか「根性さえあれば何でもできる」といった発想は捨て去るべきものである。しかし、根性そのものが否定されているわけではない。
 企業側が今もなお採用の際に「熱意」や「粘り強さ」を求めているのが現実である。

 一方で、現代の若者は一部で「さとり世代」と呼ばれるように、諦観が強く過度の期待をせず、欲望が薄く、ストレスに対しては回避しがちである。そのため上の世代からは、夢がない、根性がない、と評価されている。これも処世術の一つではあるが、企業側からすれば扱いづらい相手であろう。
 そういった若者については、「夢を持て」とは言わないが、もう少し欲張ってみても良いのではないか、と考える。

○基礎学力と筆記試験
 基礎学力は、学習能力の土台であり、社会人基礎力の土台でもある。
 基礎学力とは即ち「文章を読解する力」「語彙や漢字の力」「論理的に考える力」「資料を解釈する力」「数値を処理する力」である。
 基礎学力が高いと企業内での評価も上がりやすい。

 基礎学力は採用時の筆記試験の成績から評価するのが一般的な方法であるが、出身校や学業成績も参考にする場合がある。

 また、筆記試験では性格適性検査を同時に行う場合が多い。
 性格適性検査を行うことにより、職場の向き不向きの適性だけでなく、社会人基礎力で欠けやすい部分を見抜くことができる。

○まとめ
 採用試験には、大きく分けて書類審査、筆記試験、面接試験の3種がある。
 履歴書やエントリーシートなど最初の書類審査を経たあと、筆記試験で基礎学力や性格適性を見て、面接試験でコミュニケーション力や熱意を見る。
 これが採用試験全体の流れであるが、なぜこのような方式をとっているのか、以上の話から理解しやすくなったと思われる。

 そこで対策としては、社会人として何が必要なのかを早めに知っておくことと、そのための土台として基礎学力社会人基礎力を身につけておくこと、この2点が重要である。
 これらは決して採用のためだけに必要なものではなく、その後の評価を大きく左右するものでもある。
 十分に心して、早いうちから実力をつけていっていただきたい。

 なお、力をつける具体的な方法については、次稿以降に譲る。

(本稿は、2014年7月4日のセミナーで発表した内容の一部を加筆・修正したものです。)



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